気付くと 3ヵ月過ぎてましたね (新規記事を作成しない=ブログが広告まみれになる)
仕方ないので今回は随分と昔のゲームを引っ張り出したいと思います。
風花無双は『ファイアーエムブレム(FE)無双 風花雪月』の短縮表記。
FE風花雪月を題材とした任天堂系無双の第4作品目に該当します。
このブログでも体験版時の内容でざっくり書いたことがあります。興味のある方は以下をどうぞ。
風花無双 序
風花無双 序続
●任天堂系無双作品/発売時系列順 ()内は短縮表記
1. ゼルダ無双-ハイラルオールスターズDX (ハイラルオールスターズまたはゼルダ無双)
2. ファイアーエムブレム無双 (FE無双)
3. ゼルダ無双-厄災の黙示録 (ブレワイ無双または厄災無双)
4. ファイアーエムブレム無双-風花雪月 (風花無双)
5. ゼルダ無双-封印戦記 (ティアキン無双)
さてこの風花無双、結局本編での感想記事は書かないままになりました。
理由としては表題にある通り 「残念な内容だったから」 というのが一因 (他の理由は後述)
前作扱いである FE無双/FE風花雪月 はあんなに良いものだったのに、どうしてこんなことに...といった具合です。
ブログにはポジティブな記事を主体として掲載したいこともあり、記載を見送った次第です。
※苦言が多くなる内容でもオススメできないゲームはそもそも取り扱いません
「じゃあ、なんで今更?」 という疑問に対しては以下が解答になります。
・新しい任天堂系無双であるティアキン無双がそろそろ発売される
・FE風花雪月の続編?のような新FEが発表
丁度よさそうなタイミングだったので、今回引っ張り出してみたわけです。
■ 遊べないわけではない
"残念" と銘を打ってはいますが、無双ゲームとしては十分遊べるレベルであることは間違いありません。
さらに全周しっかりクリアしようとすれば 100~200時間以上の膨大な時間を持っていかれます。(見掛け上の) ボリュームとしても十分ですね。
「風花無双はとっても面白かったし大好き」 という評価があっても、自分は間違いだとは思いません。
ただ、やはり色々残念と言わざるえません。その理由をいくつか書いていきます。
■ 残念な理由1 -手抜きに見えるシナリオ-
一般的な低評価の理由として、よく書かれています。主に金学級に対するものが多く、キャラ人気と相まって少々過激な内容が散見されることもあります。
なお各学級の色はシナリオ攻略においての選択になり、ここでは 赤/青/金(黄) で表記します。
まずシナリオの内容自体に関しては、自分は多少擁護的な評価を持ちます。
本編である FE風花雪月では主人公であるベレト(ベレス) によりフォドラ三国が統一されます。ネタバレになりますが 「女神ソティスと同化したベレトであるからこそ統一が果たせた」 という設定です。
対して無双の方は主人公が異なり、ベレト及び女神ソティスが中核的な役割を果たすことはありません。
つまり 「統一はされずに三国の体制が継続」 という流れ自体は別段おかしなものではないわけです。ちなみに中央教会は滅びます (むしろこれが主目的)
問題になっているのは "その説明があまりにも足りていない" という部分。
特に終わり方が酷すぎる。「え?これで終わり??」 風花無双のシナリオクリア時は誰しもそういう感想を抱くでしょう。
「終わりよければ...」 を蔑ろにした結果が好ましくない評価に大きく影響していると感じます。
もう一つ重要な点として、主人公(シェズ) の謎がほとんど明かされません。冒頭のムービーと個人専用のスキル名から推察できる程度の、やんわりしたニュアンス以外は皆無といってよいでしょう。
相棒扱いのラルヴァもシナリオの都合により敵対したような形で唐突にいなくなります。その後のケアは何もありません。
このような "畳まれない風呂敷" は手抜きとして評価されても仕方ありません。
■ 残念な理由2 -遊びにくさ-
全般的なゲームの流れとしては、三学級のどれかを主人公が選ぶ → 選択した学級(国) を中心にしてシナリオが進む、という形式です。
それぞれ途中でベレト(ベレス) を加入させるかどうかで選択になり、加入した場合は終盤に追加エピソードが挟まる、という違いはあるものの、最終戦及びクリア後の流れに大きな変化はありません。
シナリオは各エピソード(章) で区切られ、拠点から各地の小MAPへの出撃を繰り返し、シナリオMAPをクリアすると次の章へ進みます。
小MAPはすべてクリアする必要はありませんが、最低限シナリオMAPまでの道を繋ぐ必要があります。
以上が風花無双における基本的な進行手順なんですが...
はい、まずこのシナリオ管理自体が無双及び風花雪月(=要周回) として非常に遊びにくい要因になってしまっています。
・攻略MAPを一度逃すと戻れない=無双なのに気軽に遊べない
・同じような MAP戦ばかりの強制的な繰り返し=退屈
・周回が必須なのに手間と時間ばかりかかる
結局小MAPも全部クリアしながら進めることになるわけで、これでボリュームがあるという評価をされても 「それは違わね?」 と言いたくなるのも理解できます。
他の任天堂系無双作品と比較しても、この辺の面倒さは顕著と言えます。
※風花無双以外はシナリオの進行状態に関係なく、それまでの出現 MAPを繰り返し任意に攻略可能。シナリオ以外は個別で後回しにできるなど、攻略順もかなり自由
次に拠点(前哨基地) の問題。
派生元である FE風花雪月でも同様の問題がありました。「必須となる拠点行動が面倒すぎる」 というものです。
最低でも 3回は周回が必須なのに (正確には4回ですが)、一々手間ばかり押し付けられるのは面倒の極みでした。
風花無双でもこの問題は何の解決もされていません。
訓練をサボるとまともに成長できない...だけならまだしも、それに支援値(≒ユニット間の好感度) の調整も含むなど、個々の作業単位としても無駄に面倒な仕様をわざわざ取り入れているあたり、擁護できる点はまったくありません。
とにもかくにも 「遊びにくい故に時間ばかりかかる」 ことを "ボリュームとして勘違いしている" と言わざるえないのが本作の特徴であり、同時に大きな問題点であると強く感じます。
■ 残念な理由3 -無双アクションの軽視-
一般的な感想なども多少見回ってきましたが 「(FE)無双としては良作」 みたいな評価をしている方には 「もっと FE無双(前作) をやり込んでください」 としか言えません。
それぐらい個人的にはこれが一番の問題でした。
まず無双として最も重要なのは 「プレイヤーユニットがアクションゲームとしてちゃんと無双できる」 こと。
ただ何でも無双状態ではゲームになりませんので、制約として三すくみなどのユニット相性を導入しているのが FE無双です。
これらとクリア評価のバランスがよくとれており、無双としての土台と FEとしての戦略要素をうまく組み合わせていたのが元の FE無双となります。
※FE無双には剣ばかり多いとか、DLC入れないと槍がペガサスしかいないとか、よくある批判もありますが、それらもゲーム内容を正しく理解していれば、プレイヤー側の選択(武器育成など) で十分ケアが可能な範囲であることに気付けます
残念ながら風花無双はこれらの良い点を全く引き継げませんでした。
特に問題となるのが、必殺攻撃と特殊攻撃及び武器強化(錬成) に対する相対的なバランス配置について。
必殺攻撃はゲージ表示 → 攻撃でゲージを削りきると大ダメージとなる、任天堂系無双ではお馴染みの共通システムです。
※ゼルダ無双系列ではウィークポイントゲージとスマッシュ攻撃 (役割は同じ)
FE無双では三すくみに連動して、無双アクション(弱/強攻撃) により能動的に必殺攻撃まで繋ぐことができました。
対して風花無双では同じ手段はとれません。いくつかルートはありますが効率を考えると、
特殊攻撃である戦技/魔法によりゲージ開示 → 通常攻撃(強3など) または一部の特殊攻撃によるゲージ削り
というパターンに集約されていきます。
さらに武器強化の仕様から特殊攻撃の使用回数にほぼ制限がなくなるため、最終的にはゲージ削りとしての通常攻撃すら不要となります。
※トロンなどのゲージを削れる特殊攻撃のみに選別、または威力極大の特殊攻撃により一気に殲滅など
要するに、やり込んでうまくなるほど 「無双アクションいらね」 と自身の否定に繋がるようなゲームデザインになっているわけです。
これでは無双ゲームとしては "致命的" と言わざるえません。
※行きつく先はビーム砲や広範囲爆弾をぶっ放すだけの出来の悪いシューティングゲーム ≠ 無双アクションゲーム
■ 残念な理由4 -未完成-
風花雪月は名称の示す通り 4ルートの集まりです。しかしながら風花無双ではベレト(ベレス) の加入により裏/表はあるにしても、実質的には 3ルートしかありません。
シナリオの項目で述べた通り、主人公(シェズ) の謎はまったく明らかにされません。不自然に説明不足なのは明白です。
他にも魔法を使える飛行系兵種として、本来はダークペガサスがあるのに対して、風花無双では使えないままになっています。
さらにおかしな点として、アッサルの槍所持者であるセテスはムービー上では槍を使えるのに、兵種(ドラゴンナイト/ドラゴンマスター) の仕様からゲーム中では使えないままになっています。
下級職である戦士が複数武器を扱えることやアッサルの槍の存在などから、本来は他の兵種でも 2武器や 3武器を扱える仕様だったのでは?という疑念が浮かび上がります。
※FE風花雪月では使用武器種に制限はありません。それ故、飛行系に弓を持たせるのが非常に有用でした。風花無双では当然再現できませんが...
それらの疑問点を解消する理由として 「DLCが存在しない」 が解答になるのかもしれません。
歴代の任天堂系無双作品は DLCで完成版となる流れが定番でした。
...が、残念ながら風花無双には DLCはありません。
元から予定になかったのか、売上予測などから出せなかったのか、それとも疫病流行下での開発だったため、開発リソース自体がそもそも足りていなかったのか。
詳細は不明ですが、やはり現時点では "風花無双は未完成品である" とするのが正しい評価に思えます。
ちなみに本編記事を書かなかった理由の一つが 「DLCのアナウンスがいつまで経っても来ない」 でした。DLCを待っているうちに時間だけが過ぎていき、結局記事を掲載するタイミングを逃したわけですね。
■ 結局どうすればよかったのか
当たり前なことですが "過去作の良い部分をしっかり受け継ぐ" をやり通せばよかっただけです。
良いものが作れない程度であるなら、また改悪するぐらいなら、下手に改変などせずにそのまま流用した方がまだマシです。
そのあたりのコントロールや精査がうまくいかなかったことが要因でしょう。
本作であれば、FE無双と FE風花雪月の双方について 「もっと勉強しろ」 という言葉に集約されると思います。
■ まとめ
抽象的な評価内容が多い点は自分でも懸念する所ですが、細かなことを書き出すと収拾がつかなくなるため、最低限の内容だけに絞ってまとめた結果が上記となります。
文字数がこの何十倍になってしまっては、書く方も読む方もしんどいだけですからね。
本作は体験版の出来が非常に良好で大きく期待したものでしたが、本編は上記の通り残念な評価になりました。
「金返せ」 とまでは言いませんが、調査や評定までに有した 「膨大な時間を無駄にさせやがって...」 ぐらいは思うかもしれません。
せめて次作のティアキン無双はブレワイ無双ベースのままで、十分に遊びやすいものになっていればと願います。
といっても個人的にはブレワイ無双も 残念に思う点 は多々あったので、どれほどの期待を寄せてもよいものかは悩ましいところですけどね。
以上、穴埋め記事として今更に引っ張り出された 風花無双に対する自分的評価 でした。
長文読了本当におつかれさまでした。
2025年09月25日
風花無双は残念でした
posted by - at 21:39| ゲーム (無双系)
|