やっとのこと色々動き出しているようなので・・・
sm21860058
DX11化は随分前にうちでもやってみましたが、いくつかの利点と問題点があったのでちょっと書いておこうかと思います。
■利点
・エフェクト機能の自由度が大きく上がる
・StreamOutputを応用することで GPUスキニングと描画エフェクトを完全に分離できる(=高効率化) ※1
・描画以外にもシェーダ処理を応用することで各部処理を高効率化可能
※1
MMDでは CPUでスキニング → MMEで描画処理、という流れなので頂点数が増えると極端に効率が悪くなります。MMMや PMXエディタなどでは GPUスキニングを利用していますが、DX9での実装では描画エフェクト毎にスキニング処理が発生するので無駄が多くなります(描画エフェクト側にも不要な記述が必要になってしまう)。DX11(10)の機能を利用することでこれらが一気に改善されます(テスト済)
※DX9でのGPUスキニングでも変形部と描画部を分離することは可能ですが(PMXエディタで実現しています)、どちらにしても描画エフェクトに特別な記述が必要になるので、DX11(10)と比較して汎用的/効率的な方法とはいえません。
■問題点
・複雑化する(というか単純な構造ならわざわざ DX11にする意味がない)
・過去の資産(MMEエフェクト)がそのままでは使えない ※2
・現状システム面の変更が難しい MMDでは効率を上げられない ※3
※2
DX11(10)では DX9用のエフェクトを利用する機能が一応ありますが、DX10以降は数値代入が厳密化されたり、UV座標の取り方が変更されていたりするので、そのままではまず使えませんでした。多少の修正が必要になります。また仮に DX9用のエフェクトをそのまま動作可能とするなら、システム自体を DX9/11 の共用状態にする必要があるので、かなり複雑化したものになってしまうでしょう。
※3
例えば DX11に適したセットアップのためにはモデルデータ自体の仕様変更が必要になる場合がありますが、現状の MMDにその対応を逐一期待するのは難しいでしょう。GPUスキニングへの応用も同様の理由で MMDでは意味がありません。結果として DX11へ最適化するには MMDのようなベースシステムからの作成が必要となってしまいます(案というか仕様書レベルだけなら一応ありますけどね・・・)
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件の動画ではテッセレーションについてうまく応用されていましたが、個人的には「おおざっぱに使う分には便利だが、実際に高いレベルで運用するにはいくつかの技術との組み合わせが必要になるので、手がかかる割りには効果が薄い」という印象でした。
正直なところ DX11対応については「やるならベースシステムからの改善が必要」と考えていますが、現状かなり高い機能レベルで安定している MMMですら、広範囲のユーザーに十分効果的に活用されているとは判断しづらい状況ですし、また DX11専用ともなれば、XP以前のユーザーさんは切捨てとなってしまいますからね。
※所謂エフェクト派閥が増えるのも利用者的には困りモノでしょう。
・・・とまあそんな感じです。
DX11自体は自由度が大きく上がるので非常に有用なものですが、それ故、効果的な運用にはシステム側の改善が必要になります。
そのうちやる気になったらまた色々やるかもしれませんが、昨今は MMD自体を商業ベースで活用されるような方も増えてきている状況ですので、特に自分が頑張る必要はないかなぁ・・・という風にもよく思います。
なんにしても今は かんこれや MHで忙しいので・・・
以上、取り留めのない内容でしたが、DX11についてのちょっとしたお話でした。
2013年09月01日
11杯 Pickup
某ゲームのせいで少々視聴が滞ることもありましたが、今回も無事全作品の視聴完了しました(公式マイリスト登録分)
で、いつものようにいくつかの作品をピックアップしてみようかと思います。
※記事作成時点で再生数が(一つを除いて) 1万未満の作品を対象にしています。全体的にマイリスト率の高い作品が多いので、ご視聴済みの方も多いのではないかと思われます。
■MMD で 福笑い【手書き風PV】
これぞまさにニコニコ動画。
■『海底の夢』
○○かよ!と思わず突っ込んでしまいました。テーマ大根からこれほどの発想が生まれるとは驚きです。
■オリメカ戦記
オリジナルメカモデルというだけでなく、動きやパーツの破壊なども細かく表現されています。素晴らしいです。
■ある昼下がりのRe:Re:
ミクルカの素敵なストーリーPVです。透明感というか言葉では表現しづらい感覚に惹き込まれました。
■モブ魔族紹介動画
紹介動画というタイトルとは裏腹に、光と影による映像効果も素晴らしい手の込み入った作品です。
■大根 【MMDドラマ】
何気ない大根畑にこれほどのドラマが隠されているとは・・・
■リノ=ライト嬢とセッションしてみるよ
次元を超越した愛?に満ちた作品です。EXへの流れも実に MMDらしいですね。
■ファンタジー風ドラマOP的な何か【MMDオリキャラ】
日々増え続けるMMDモデルたち、その中でオリジナルキャラもじわじわと増加傾向のようです。そんなオリキャラたちによるドラマPVです。
※この動画は外部貼り付けできないようです。
■イミテイション・ゴールド【温故知新】
「猫村さんスゲェ」の一言に尽きます・・・いやまじで。
■稚内ゆきに乗って【MMD鉄道】
何気ない旅行風景かと思いきや要所要所の作りこみの凄さに驚かされる作品です。
■真SUIKA WARI !?
今年のスイカも活きがいいらしいです。
■たいせつなもの
ちっちゃい Lat式ミクの可愛さ一杯の作品です。こちらも続けてどうぞ。個人的には今後も(すっかり定番になりつつある)どこぞやのキャラ設定に汚染されないことを願います(笑)
■はちゅねのreunion
定番のステマニかと思いきや・・・?!
■Give me Moneeeeeeeeeey!!!.【オリジナルモーション】
急増中のトレース職人と比べ、今や希少種となりつつあるオリジナル振り付け&手付けモーションによる作品です。映像作品としても素晴らしいです。
■リノと僕 【MMDファンタジー】
リノの微笑ましい日常劇、そしてついに明かされるリノ生誕の秘密!?
■Departures【MMDうたプリ・演奏トレース】
楽器を弾く、ただそれだけの作品です。だがそれが素晴らしい。
■Wonderful Opportunity 【MMDPV】
懐かしい曲ですね。毎日の生活に疲れている方もそうでない方も是非。
■森の巨像に宿るもの
圧倒的な疾走感。見逃しは損以外の何者でもありません。惜しむべくは MMD杯レギュレーションによる動画時間の制限でしょうかね。
■Birdcage【ささらオリジナル曲】
ささらさんに秘められるポテンシャルが垣間見えます。これならチクっても問題ないですよね?
■Su-26とジュラーヴリクさん。大根を追う。
今年も渡り大根の季節がやってきました(違)
以上、20作品を投稿日時順で紹介させて頂きました。みなさんお疲れ様でした。
で、いつものようにいくつかの作品をピックアップしてみようかと思います。
※記事作成時点で再生数が(一つを除いて) 1万未満の作品を対象にしています。全体的にマイリスト率の高い作品が多いので、ご視聴済みの方も多いのではないかと思われます。
■MMD で 福笑い【手書き風PV】
これぞまさにニコニコ動画。
■『海底の夢』
○○かよ!と思わず突っ込んでしまいました。テーマ大根からこれほどの発想が生まれるとは驚きです。
■オリメカ戦記
オリジナルメカモデルというだけでなく、動きやパーツの破壊なども細かく表現されています。素晴らしいです。
■ある昼下がりのRe:Re:
ミクルカの素敵なストーリーPVです。透明感というか言葉では表現しづらい感覚に惹き込まれました。
■モブ魔族紹介動画
紹介動画というタイトルとは裏腹に、光と影による映像効果も素晴らしい手の込み入った作品です。
■大根 【MMDドラマ】
何気ない大根畑にこれほどのドラマが隠されているとは・・・
■リノ=ライト嬢とセッションしてみるよ
次元を超越した愛?に満ちた作品です。EXへの流れも実に MMDらしいですね。
■ファンタジー風ドラマOP的な何か【MMDオリキャラ】
日々増え続けるMMDモデルたち、その中でオリジナルキャラもじわじわと増加傾向のようです。そんなオリキャラたちによるドラマPVです。
※この動画は外部貼り付けできないようです。
■イミテイション・ゴールド【温故知新】
「猫村さんスゲェ」の一言に尽きます・・・いやまじで。
■稚内ゆきに乗って【MMD鉄道】
何気ない旅行風景かと思いきや要所要所の作りこみの凄さに驚かされる作品です。
■真SUIKA WARI !?
今年のスイカも活きがいいらしいです。
■たいせつなもの
ちっちゃい Lat式ミクの可愛さ一杯の作品です。こちらも続けてどうぞ。個人的には今後も(すっかり定番になりつつある)どこぞやのキャラ設定に汚染されないことを願います(笑)
■はちゅねのreunion
定番のステマニかと思いきや・・・?!
■Give me Moneeeeeeeeeey!!!.【オリジナルモーション】
急増中のトレース職人と比べ、今や希少種となりつつあるオリジナル振り付け&手付けモーションによる作品です。映像作品としても素晴らしいです。
■リノと僕 【MMDファンタジー】
リノの微笑ましい日常劇、そしてついに明かされるリノ生誕の秘密!?
■Departures【MMDうたプリ・演奏トレース】
楽器を弾く、ただそれだけの作品です。だがそれが素晴らしい。
■Wonderful Opportunity 【MMDPV】
懐かしい曲ですね。毎日の生活に疲れている方もそうでない方も是非。
■森の巨像に宿るもの
圧倒的な疾走感。見逃しは損以外の何者でもありません。惜しむべくは MMD杯レギュレーションによる動画時間の制限でしょうかね。
■Birdcage【ささらオリジナル曲】
ささらさんに秘められるポテンシャルが垣間見えます。これならチクっても問題ないですよね?
■Su-26とジュラーヴリクさん。大根を追う。
今年も渡り大根の季節がやってきました(違)
以上、20作品を投稿日時順で紹介させて頂きました。みなさんお疲れ様でした。
posted by - at 21:34| MMD
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2013年07月24日
一周年と十一杯
いつのまにやらこのブログも一周年らしいです。
といってもここ最近は更新やブログに書くようなネタもほとんどなく、ダラダラとゲーム三昧な毎日だったりしますが。
MMDの方は昨今正式に開発再開?みたいになっているようですが、基本的には様子見といった感じです。まあ今更 MMD側に大きな変更があったとしても、どれほどの対応ができるのか?また対応自体が必要なのか?といったあたりは微妙なとこですからね。
で、ここの話はとりあえずどうでもよいのでこの辺にして・・・
先ごろ 第11回MMD杯(予選) が始まりました(公式マイリストの登録分は一通り視聴してきました)
今回は WiiUで一気に流し見できたので、動画視聴はかなりお気楽でした。ただいくつか問題点があったので書き出しておこうかと思います。
■連続視聴の問題点
WiiUのマイリスト内連続視聴機能は一度に視聴できるのが最大で 100件まで。1つのマイリストは最大500件登録が可能ですが、100毎に切り替えが必要となります。
さらに次の 100件への移動ボタンは づらづらと表示される動画の末尾(ページ下部)にあるので、100件分画面スクロールが必要となります。何ページも続けて移動が必要な場合は特に面倒になります。
※検索結果などでの連続視聴がそういう仕様なので、おそらくその使いまわしのせいでしょう。
500件を一度に処理できないのは仕方ないにしても、その分インターフェイス的には上部にもページ送りボタンを配置するなどの配慮があるのが普通ですが・・・まあ所詮はニコ製ですからね。こんなもんと割り切る必要があるかと思います。
■見れない動画、非対応スクリプト
原因はよくわかりませんが、一部低画質(エコノミー)版の方しか見れない動画がありました。また映像再生に対応していない、という動画も一つありました(動画のビットレートは関係ないようです)
他にも通報などにより(内部的な)レーティングが変更されるなどで WiiUでは見れなくなる動画もあるようです(予選動画では該当するものはなかったと思います)
動画に設定可能なニコスクリプトも WiiU視聴では一部しか機能しません(コメ反転や動画ジャンプなどは不可)
それ以外細かいところでは、音量調整は TV側のボリュームを変更する必要があったり、また比較的大画面/高解像度の環境で見る関係上、古いニコサイズベースだとかなり引き伸ばされた映像になってしまうなどの問題もあります。
※逆に高解像度(HD)に適した映像の場合は、恐ろしく高品質な映像に見えたりすることもあります。
総じて PC環境よりちょいちょい面倒な部分はありますが、動画をざっと視聴するだけなら十分快適といった感じです。
杯動画の方にも一応触れておこうかと思いますが、昨今は MMEや各エフェクトの改善により、従来よりも高品質な映像を作成することが比較的容易になりました。
その分映像内のちょっとした不具合、不整合などがより顕著に悪印象として目に映るようになっています。具体例としては、セルフシャドウの調整不足や物理演算による静止状態でのバタつきなどが解りやすいと思います。
下手に製作者として MMD慣れしていると、その辺無意識のうちに気付かないようになっていたりしますが、一般的な視聴者目線で見る限りでは、やはり映像品質の向上に合わせて総合的な底上げが重要だなぁ・・・と、多くの予選動画を見ていて思いました。
※参考になるかどうかは不明ですが、一応具体的な例をいくつか書いておきます。
●セルフシャドウ
標準のセルフシャドウは太陽光下のような広い範囲に強い光があたるような環境に適しています(アップではシャドウ距離の調整が必須)
室内表現ではソフトシャドウが扱えるエフェクトを選択しましょう。特に陰影を重視するリアル系表現の場合は重要です(標準影によるガタガタ影とか、ありすぎる"がっかり要素"です)
●物理演算のバタつき
基本的に MMDでは対応できません(MMDで可能なのは物理演算を完全に OFFにする程度)
MMMなら物理OFF以外にも、物理動作軽減機能(物理演算全体)や、インパルスモーフ(PMX2.1)による停止制御(剛体毎)、他にも物理モーションをベイクして手動で調整する方法などが手軽に扱えます。
●Toon表現との不整合
一例としてはリアル系シェーダ(陰影の強く出るような映像)で、Toon用のエッジをそのまま描画していると、この上ない違和感になります。
Toonベースでもテクスチャに陰影書き込みが多いモデルなどでは同様です。MMDは標準で Toon系を前提としたシステム設計になっているので、エフェクトによってはそのシステム自体が仇となりやすいことを理解しておく必要があります。
※某ハナガサイタヨのような、オーバー過ぎる程書き込まれた背景の上に陰影の薄いのっぺりしたキャラクターをリアルモーションベースで配置するような、わざと違和感のある奇妙な映像にしたい場合などは別ですが。
●環境マップの有効利用
いわゆる「写り込み」です。実は一番手っ取り早く映像品質を上げる方法でもあります。MMDでは標準でスフィアマップ(テクスチャ)が使用できますが、これも環境マップの一種です。
マッピングデータをリアルタイムで生成すると結構大変ですが(対応エフェクトがあったかどうかは存じません)、スフィアマップのように予め作成しておくタイプであれば、負荷はほとんど上がらない割りに映像品質は驚く程向上します。
※スフィアマップは一つしか使えないと思い込んでいる方もいるかと思いますが、エフェクトの描画部分を書き換えれば何枚でも重ねて利用することは可能です(材質単位で設定を分ける場合は色々記述が増えてしまいますが)。ついでにスフィアマップは UVを参照しないのでモデル側を調整する必要もありません。まあマッピングデータを作るのはちょっと面倒ですけどね(原理が解っていればそれほど難しいものではないです)
これらはいわゆる"技術"に類するものなので、動画毎の内容如何に関わらず一つ一つが底上げへと繋がります。
ただ当然のことながら技術はあくまで支えとしての意味しかないので、どれだけ極めてもそれで面白い作品や多くの人から評価される作品が作れるようになるわけではありません。目先の品質ばかりを追い求めて、作品作りに大切なことを見失わないように注意しましょう。
以上、ちょっとした内容にするつもりが、また色々と無駄に長くなってしまいましたね。
ここも二年目に突入するわけですが、特に変わらずダラダラと飽きるまで続けていくと思いますので、お暇な方は今後ともよしなに。それでは。
といってもここ最近は更新やブログに書くようなネタもほとんどなく、ダラダラとゲーム三昧な毎日だったりしますが。
MMDの方は昨今正式に開発再開?みたいになっているようですが、基本的には様子見といった感じです。まあ今更 MMD側に大きな変更があったとしても、どれほどの対応ができるのか?また対応自体が必要なのか?といったあたりは微妙なとこですからね。
で、ここの話はとりあえずどうでもよいのでこの辺にして・・・
先ごろ 第11回MMD杯(予選) が始まりました(公式マイリストの登録分は一通り視聴してきました)
今回は WiiUで一気に流し見できたので、動画視聴はかなりお気楽でした。ただいくつか問題点があったので書き出しておこうかと思います。
■連続視聴の問題点
WiiUのマイリスト内連続視聴機能は一度に視聴できるのが最大で 100件まで。1つのマイリストは最大500件登録が可能ですが、100毎に切り替えが必要となります。
さらに次の 100件への移動ボタンは づらづらと表示される動画の末尾(ページ下部)にあるので、100件分画面スクロールが必要となります。何ページも続けて移動が必要な場合は特に面倒になります。
※検索結果などでの連続視聴がそういう仕様なので、おそらくその使いまわしのせいでしょう。
500件を一度に処理できないのは仕方ないにしても、その分インターフェイス的には上部にもページ送りボタンを配置するなどの配慮があるのが普通ですが・・・まあ所詮はニコ製ですからね。こんなもんと割り切る必要があるかと思います。
■見れない動画、非対応スクリプト
原因はよくわかりませんが、一部低画質(エコノミー)版の方しか見れない動画がありました。また映像再生に対応していない、という動画も一つありました(動画のビットレートは関係ないようです)
他にも通報などにより(内部的な)レーティングが変更されるなどで WiiUでは見れなくなる動画もあるようです(予選動画では該当するものはなかったと思います)
動画に設定可能なニコスクリプトも WiiU視聴では一部しか機能しません(コメ反転や動画ジャンプなどは不可)
それ以外細かいところでは、音量調整は TV側のボリュームを変更する必要があったり、また比較的大画面/高解像度の環境で見る関係上、古いニコサイズベースだとかなり引き伸ばされた映像になってしまうなどの問題もあります。
※逆に高解像度(HD)に適した映像の場合は、恐ろしく高品質な映像に見えたりすることもあります。
総じて PC環境よりちょいちょい面倒な部分はありますが、動画をざっと視聴するだけなら十分快適といった感じです。
杯動画の方にも一応触れておこうかと思いますが、昨今は MMEや各エフェクトの改善により、従来よりも高品質な映像を作成することが比較的容易になりました。
その分映像内のちょっとした不具合、不整合などがより顕著に悪印象として目に映るようになっています。具体例としては、セルフシャドウの調整不足や物理演算による静止状態でのバタつきなどが解りやすいと思います。
下手に製作者として MMD慣れしていると、その辺無意識のうちに気付かないようになっていたりしますが、一般的な視聴者目線で見る限りでは、やはり映像品質の向上に合わせて総合的な底上げが重要だなぁ・・・と、多くの予選動画を見ていて思いました。
※参考になるかどうかは不明ですが、一応具体的な例をいくつか書いておきます。
●セルフシャドウ
標準のセルフシャドウは太陽光下のような広い範囲に強い光があたるような環境に適しています(アップではシャドウ距離の調整が必須)
室内表現ではソフトシャドウが扱えるエフェクトを選択しましょう。特に陰影を重視するリアル系表現の場合は重要です(標準影によるガタガタ影とか、ありすぎる"がっかり要素"です)
●物理演算のバタつき
基本的に MMDでは対応できません(MMDで可能なのは物理演算を完全に OFFにする程度)
MMMなら物理OFF以外にも、物理動作軽減機能(物理演算全体)や、インパルスモーフ(PMX2.1)による停止制御(剛体毎)、他にも物理モーションをベイクして手動で調整する方法などが手軽に扱えます。
●Toon表現との不整合
一例としてはリアル系シェーダ(陰影の強く出るような映像)で、Toon用のエッジをそのまま描画していると、この上ない違和感になります。
Toonベースでもテクスチャに陰影書き込みが多いモデルなどでは同様です。MMDは標準で Toon系を前提としたシステム設計になっているので、エフェクトによってはそのシステム自体が仇となりやすいことを理解しておく必要があります。
※某ハナガサイタヨのような、オーバー過ぎる程書き込まれた背景の上に陰影の薄いのっぺりしたキャラクターをリアルモーションベースで配置するような、わざと違和感のある奇妙な映像にしたい場合などは別ですが。
●環境マップの有効利用
いわゆる「写り込み」です。実は一番手っ取り早く映像品質を上げる方法でもあります。MMDでは標準でスフィアマップ(テクスチャ)が使用できますが、これも環境マップの一種です。
マッピングデータをリアルタイムで生成すると結構大変ですが(対応エフェクトがあったかどうかは存じません)、スフィアマップのように予め作成しておくタイプであれば、負荷はほとんど上がらない割りに映像品質は驚く程向上します。
※スフィアマップは一つしか使えないと思い込んでいる方もいるかと思いますが、エフェクトの描画部分を書き換えれば何枚でも重ねて利用することは可能です(材質単位で設定を分ける場合は色々記述が増えてしまいますが)。ついでにスフィアマップは UVを参照しないのでモデル側を調整する必要もありません。まあマッピングデータを作るのはちょっと面倒ですけどね(原理が解っていればそれほど難しいものではないです)
これらはいわゆる"技術"に類するものなので、動画毎の内容如何に関わらず一つ一つが底上げへと繋がります。
ただ当然のことながら技術はあくまで支えとしての意味しかないので、どれだけ極めてもそれで面白い作品や多くの人から評価される作品が作れるようになるわけではありません。目先の品質ばかりを追い求めて、作品作りに大切なことを見失わないように注意しましょう。
以上、ちょっとした内容にするつもりが、また色々と無駄に長くなってしまいましたね。
ここも二年目に突入するわけですが、特に変わらずダラダラと飽きるまで続けていくと思いますので、お暇な方は今後ともよしなに。それでは。
posted by - at 22:24| MMD
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