2025年06月01日

DQ3HD #4

急に更新が来たので。


ということで色々試しながら、また何周か通しでクリアしてみましたが...

はい、とても遊びやすくなりましたね。(要望していた) ショートカット機能の実装、ありがたく思います。

肝心の戦闘バランスの調整?については、

・まものよびはランダム幅が大きくなり多少ダメージ減少。といっても通常攻略では相変わらず "とても有用"
・ビーストモード消費MP30。ビーストモード→まものよびx2 パターンは すぐに息切れしてしまう
・睡眠は一部効き難くなり、すぐに効果が切れるように。ターンを跨がないケースが増えたので、ヒュプノスハントの利用は安定しない
・物理ダメージが結構出るようになった。その影響なのか一部の敵のダメージが やたら痛い?

みたいな感じでしょうか。

それなりに調整はされていますが、基本的には "まものよびゲー" といっても差支えない程度には変化ないように思います。
※通常戦闘を AIまかせにしていると、とりあえず まものよび を使おうとする (それだけ基本ダメージが大きい)

また今作のバランス崩壊の元凶である、ヒュプノスハント及び睡眠の効き具合についても、「考えなしにそれだけに頼るようにはできなくなった」 という程度なので、逆に特化してしまえば "問題がなくなるどころかもっとヤバイ" ことに...

では、それらに対応した最適編成及び育成を考えます。


■ ワンパン育成ルート
勇者/盗賊/魔物使い/魔法使い の開始状態はこれまで通り。
勇者:ごうけつ(全部はい) / 盗賊:セクシーギャル(過去記事参照) / 魔物使い:力x5(+11?以上) / 魔法使い:タフネス(スタミナx5)

魔物使いは Lv1でレーベへ飛び性格を ちからじまん へ変更。今作は最初からレーベがルーラ登録されているので、無駄な戦闘なくキメラの翼で移動が可能。なお性格の変更が必要ない場合は、以上の工程は不要です。

さらに魔物使い(開始) は ごうけつのうでわ 入手後 (魔法の鍵以降)、ちからじまんから ごうけつにして性格固定。特化アタッカーとして育成します。

盗賊以外はルックスA(男) でも問題ありません。
※ひかりのドレスを装備する場合はルックスBにすること (盾役=魔法使い など)

●転職ルート
盗賊Lv20(レミラーマ) → 魔物使いLv20 → 遊び人Lv20(*) → 賢者
魔物使いLv20(ビーストモード習得後) → 盗賊Lv29(ヒュプノスハント) → 商人
魔法使いLv21(バイキルト) → 戦士Lv25(におうだち) → 遊び人Lv20(*) → 魔物使い

遊び人(*) のみラッキーパーソン(きんのクチバシ装備) で育成。他は基本の性格のまま。

稼ぎ場所はアープの塔周辺。ビーストモードは重要ではなくなりましたが、船入手後の全域探索で十分習得可能(魔物50体収集) なので、一応入れた形としてまとめています。

●種の使用
賢さ: 勇者に全振り
素早さ/スタミナ: 稼ぎ終了時ぐらいまでは勇者に全振り
力/ラック: 商人(魔物使い開始) に全振り ※ラックは仕様変更がない場合
守り: 魔物使い(魔法使い開始/におうだち) に全振り

いのち(HP)/ふしぎ(MP) については不具合が修正されたので特に使わなくてもよいです。

運がダメージ幅に大きく影響する仕様のままならラックはアタッカーに使用。変更があるようなら状態異常成功率を考慮して、賢者に使う方策などが考えられます。
※詳細については不明

なお勇者以外は育成終了後(最終職) になってから種を使えばよいです。今作は転職前に使用した分も記憶され引き継がれるようになってはいますが、通常攻略では無理に使う必要もないので (面倒)

●実践
育成終了時は勇者Lv31ぐらい。ヒュプノスハント習得まで先に進めると、稼ぎに時間がかかりすぎるのが問題ですね。

※短縮した形もないわけではないですが、基本能力が下がり色々使えなくなって面倒が増える割に減らせる経験値は 37000程度 (魔物使いLv20)。終了時の勇者の Lvが 1~2下げられるかどうかなので、通常攻略では誤差程度にしかなりません
追記) 短縮版の実例を記事の末尾に加えておきました。

以降バラモスゾンビを除くすべての強敵 (オロチ/ボストロール/レブナント/バラモス/ブロス(初回)/キングヒドラ/ブロス/ゾーマ) を一撃で撃破可能です。

なおアレフガルド到着以降は商人の装備を はやぶさの剣に換装。それまでは世界樹の森?で拾える まほうのそろばんで十分です。

基本の戦闘手順は以下の通り。行動順を考慮して商人の素早さを最下位にしておきます (他を装備や種などで要強化)

[1T] 勇者:まだらくもいと / 賢者:ルカニ(x1~2) / 魔物使い:バイキルト→商人 / 商人:ちからため
[2T] 商人以外:睡眠行動 (ラリホーx1~2/眠りの杖) / 商人:ヒュプノスハント

ヒュプノス前に眠れば終了。寝なかった場合は、次のターンに立て直して ちからため からやり直し。

敵側の攻撃が強力な場合は におうだち で壁にして、他で支援に切り替えればよいです。

キングヒドラ/ゾーマ戦は、完全属性耐性(光のドレス+属性盾+属性アクセx2) も可能なので通常の戦闘方法でもかなり有利。特にキングヒドラはハマりやすくなっているので、状況次第ではヒュプノスハントを諦める選択も重要。

バラモスゾンビも防御特化(+スカラx2~) の におうだち で受ければ被害は ほぼありません。ギガデインなどでさくっと片付けてしまいましょう。
※この戦闘用にビーストモードを習得しているとラクができる

他に多少面倒だったグリーンオーブ戦も、勇者と商人にブーメラン装備(+バイキルト) ですぐに終わります (商人は やいばのブーメランまで)

●評価
流石にここまで詰めていくと完全に "虚無ゲー" と言えるぐらいになってしまいますね。

まあ元々は "クリア後の しんりゅうや追加裏ボスに対する特化戦術" だったものを通常攻略に落とし込んでいるので、当たり前と言えばそうかもしれませんが。

なお難易度についてはゾーマ戦までであれば 通常/ハード どちらでも同じような結果(ワンパン) になると思います。
※ハードは多少睡眠の効きが悪い可能性があるので注意

一応自分で試した範囲では完全無効はバラモスゾンビのみ。ボストロールとキングヒドラが "運が悪いとグダる" といった感じ。

ゾーマ様は完全属性耐性と相まり、あまりにも気の毒な強さ(弱さ)。正直、今回の更新で睡眠無効にしても問題なかったように思います。闇ゾーマは元々から状態異常/属性無効なので、そのせいなんでしょうが... (ただし まものよび=固定ダメージ攻撃 のせいで闇ゾーマもただの雑魚)

※この攻略指針は通常難易度では楽になりすぎるため 「ハードモードで のんびり攻略する」 ときに使う程度で丁度良いぐらいでしょうか。まあ何にしても簡単すぎますが、腐っても DQなので仕方ないところかと (11s のハードモードも裏ラスボス以外は弱すぎる)


■ SFC版との自由度比較
通常攻略においての編成の自由度比較。

SFC版は 勇者/盗賊 が開始時の必須枠で残り 2枠が自由枠。

盗賊の特技習得は Lv20までなので以降賢者への転職により、勇者/賢者 で固定 2枠。自由枠は 2枠のまま変化しない。

対して HD2D版は 勇者/盗賊/魔物使い が開始時の必須枠で自由枠は 1枠のみ。

盗賊は Lv20以降も特技を習得し、ヒュプノスハントはよりにもよって最大倍率の攻撃特技でさらに はやぶさの剣の有効対象。魔物使いも魔物収集用に外すことはできないため、賢者を追加するとそれだけで 4枠全てが埋まってしまう。

ヒュプノスハントを諦めて盗賊を賢者にしても、自由枠は 1枠とれるかどうか。修正後は多少マシになったとはいえ、攻撃要員としても補助要員としても魔物使いは飛び抜けており、ビーストモードの存在は唯一無二。

どうみても魔物使いと魔物収集の新規追加により "窮屈なゲームになってしまった" という結論しか導けません。

魔物使いがいても魔物収集は楽にならない、または楽にはなるが他の技能は著しく低い (遊び人より多少マシ程度)、ぐらいのバランス調整であれば、ここまで問題にはならなかったのかも?しれません。

いっそ魔物使い自体を選択不可能なモードでも用意した方が、大きな変化があって面白そうに思います。


■ 不遇職
#2 の最後で今作の僧侶の不遇っぷりを指摘しておきましたが、やまびこのぼうしを装備可能になり、早期攻略や低レベル攻略では十分な出番があるため、最不遇の立場からは脱却したように思います。

替わりに現在使いどころが難しいのが武闘家でしょうか。詳細については前回記事を参照してください。

スキル化の弊害は通常 (会心) 攻撃メインの武闘家に直撃し、さらに戦士と合わせて攻撃スキルの習得Lvが遅すぎる (+武闘家は育成にも時間がかかる) といった問題も抱え、盗賊/魔物使いと比較すると明らかに不遇な扱いが目立ちます。
※全体/グループ攻撃装備の問題も同様

戦士も壁としては優秀ですが、攻撃要員として見ると はやぶさの剣を装備できない/渾身斬りの習得が遅すぎる など、武闘家と同様の不遇な扱いが見えてきます。

このあたりのバランス感覚の問題(ヘイト) が魔物使いや盗賊の方に向きやすいのも、今作の大きな問題点になっていると感じます。


■ まとめ
以上、予定外の #4 でした。

実際遊びやすくはなったので、今後始める人にとっては〇。ただ、その程度の修正は本来すぐにできる内容なので、ここまで時間がかかっていることには×。

といった評価でしょうか。

戦闘バランスの修正は後回しにして、足回りの調整だけさっさと済ませておけば、多少評価も上向いた気もしなくはないですが...発売前後の関係者の発言を見る限りでは(ry

DQ1&2 の発売日も決まったことで、楽しみな思いもある反面、やはり 「今の時代の人に期待するのは ほどほどにした方がよい」 という現実から目を背けるのは難しいという印象です。

...まあ買いますけどね (こういう大人、というか老人?が多いから世の中駄目になっていくんでしょうね)



●おまけ
「勇者は元(上) の世界に帰れたのか?」

昔からよくある話題(論争) の一つ。自分は上にラーミアが残っていて、DQ8の設定からラーミア=レティス、さらに次元跳躍の能力持ち、ということを考慮すると 「ルーラ移動が封じられてもラーミア経由で行き来は可能」 とできるので 「まあ帰れたんでしょう」 という結論。

母が一人寂しく残される、という結末は回避可能だと思われます。

外伝(同世界観) 漫画ではそもそもルーラで移動可能のまま、とかの設定もありますし、何より今回は上にいたはずの大神官が後に降りてきている設定まで追加されるようなので (転生かもしれんけど)、まあこの辺からも "勇者が完全に世界に取り残される" ままである必要はありませんね。

追記) HD2D版で逆に余計な設定を追加されないといいですが... (DQ2後に初めてラーミアがアレフガルドの地に訪れた、とか)

さらに追記
案の定というか、なんか余計なことされた?...みたいですが、しばらく様子見しておきます。


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追記-短縮版

勇者(ごうけつ) / 魔物使い(セクシーギャル) / 盗賊(ちからじまん→ごうけつ) / 戦士(タフネス) で開始
※魔法使い→戦士/魔物使いと盗賊は入れ替えになっているので注意

転職ルートを以下のように変更。
魔物使いLv20 → 盗賊Lv20 → 遊び人Lv20(*) → 賢者
盗賊Lv29(ヒュプノスハント) → 商人
戦士Lv25(におうだち) → 遊び人Lv20(*) → 魔物使い
*:ラッキーパーソン育成

育成は勇者Lv29 中盤あたりまで (賢者Lv20 とか商人Lv15 とかそのぐらい)

魔法使い不在により序盤はキメラの翼を要購入。またバイキルトを使えなくなるのでバイキルミンで補うこと。
※バイキルミンはアッサラームで先に 2つほど購入 (1100Gx2) しておくと、カンダタ初戦~ピラミッド戦が手早く片付く。以降は拾い物とランシールで購入など

種は転職前から使用推奨 (対象は本文参照)

強化アタッカーの盗賊にブーメラン装備で通常戦闘は非常に楽。また戦士の かばう によりダメージコントロールもしやすく、種による強化さえしておけば、こちら(短縮版) の方が稼ぎ (船入手) まで手っ取り早く進められる。

なお本文の編成と比較すると多少パラメータが下がるので、ボストロール/レブナント あたりはヒュプノスハント一撃での撃破が難しくなる。二撃入れるか、まものよび で残りを削るかなどの対応が必要。

バラモス以降、特に はやぶさの剣入手以降は安定して一撃撃破が可能。

育成が早く終わる分、勇者がギガデイン未習得の状態でゾーマ城深部まで到達することも珍しくはない。多少どこかで稼いでおいた方が、各集団戦やバラモスゾンビ戦などでの苦労度は下がるかも。

ちなみに現在の購入物は
チェーンクロス: 1300G/カザーブ ※なくてもよい
きえさりそうx2: 300Gx2/スー
はやぶさの剣x2: 38500Gx2/マイラ
ぐらいで、キメラの翼/バイキルミン を除くと必須の きえさりそう 及び終盤の はやぶさの剣 以外は一切不要 (他は全部拾得物で対応可能)


以上、追記の短縮版でした。通常難易度攻略ぐらいなら 「もうこれで十分かな?」 と最近は思います (諦観)


posted by - at 13:42| ゲーム | 更新情報をチェックする

2025年05月17日

DQ3HD #3

最後のまとめが中途半端だったので補足です。


■ 武闘家不要
はぐれ狩りに有用な武闘家は最終的に不要になりました。理由及び武闘家の問題点などは以下の通り。

・会心必中の習得Lv(Lv47) が遅すぎる
・武闘家はLvアップに必要な経験値が他職よりかなり多い (Lv47:1436723 は堂々一位)
・盗賊などの即死攻撃系スキルでもメタル系は十分倒しやすい
・メタル系に対してブーメランなどの全体攻撃でもダメージがミスにならず、会心で倒せる場合も多い
・クリア後の稼ぎは別敵 (キングヒドラなど) で十分
・武闘家自体の戦闘力が多職と比較すると低すぎる (盗賊や魔物使いが強すぎるせい)

はぐれ狩りのためだけに専用特化した武闘家をわざわざ育成するのは "時間と経験値の無駄" という結論です。


■ クリア後ダンジョン(裏) は真面目にクリアを目指す必要はない
あまり良い表現ではありませんが 「正直者が馬鹿を見る」 を地でいっているのが今回のクリア後追加ダンジョン。

本来なら対応した武器種を装備できるメンバーを育ててクリアするのが想定解なんでしょうが、「難易度を変えてしまうのが最適な攻略方法」というのが誰の目から見ても明らか。

イージーモード(楽ちんプレイ) という意味不明な難易度を用意した理由は多分コレのせいだったんだろうなぁ...と色々察せられますね。

さらに裏ボス扱いの色違いヒドラを倒しても、得られるものは何もありません。
※グラフィックも攻撃手段も、なにより効果的な撃破方法すら、何もかも全部それまでの使い回し (結局早期に寝るかどうかだけ)

未だに何の改善もされず、一体何のために作った要素なのか理解に苦しみます。


■ 勇者の性格と性別(スタイル)
諸々面倒なので、
全部"はい" からの ごうけつ
全部"いいえ" からの いっぴきおおかみ
ルックスBによる セクシーギャル
など、どれを選んでも大差ありません。

必要なのは拾える種と木の実のうち、かしこさのたね と ふしぎなきのみ を勇者に与え続けるだけ。

ある程度の MPさえあれば勇者は十分役割を果たせます。
※中盤ぐらいまでは力があると有利なので 個人的には ごうけつ 推奨 (ちからのたね はヒュプノスハントの盗賊へ投与など)


■ 育成ルート(楽プレイ)
上記の条件などを考慮して、ある程度最適な育成ルートを組むとこんな感じ。
※各員はルックスBのセクシーギャルで作成。遊び人はラッキーパーソン、戦士はタフネスで育成。詳細は過去記事参照

盗賊Lv20(レミラーマ) → 魔物使いLv20 → 遊び人Lv20 → 賢者
魔物使いLv20(ビーストモード習得後) → 商人Lv20 → 遊び人Lv20 → 盗賊
魔法使いLv21(バイキルト) → 戦士Lv25(におうだち/タフネス育成) → 遊び人Lv20 → 魔物使い

船入手(+魔物収集50体) から稼ぎを始め勇者Lv30程度を終了条件とすれば、バラモスあたりからヒュプノスハント解禁で、続くアレフガルド攻略も楽に進みます (初回ブロス前に少し稼いでギガデイン/イオナズンの習得推奨)

魔物使い経由が 3人いることで、しんりゅう戦も 15T以内撃破を確定可能。
※ビーストモード→まものよびx3 + ベホマズンで安定

Lv的に 15T撃破が多少厳しそうならルビスの剣を最初に貰って、クリア後ダンジョン内(キングヒドラなど) で稼げばよいです。


■ まとめ
SFC版とは正反対に 「やればやるほどダメな点が見えてくる」 わけで、この開発陣は一体何を "リメイク" されたんでしょうかね?

まあ発売からかなりの時間も過ぎ、今更語ることもないと思いますが、とりあえずたくさん売れてしまったようなので...

「舐めた商売した企業が今後どうなっていくか」 を変わらず注視していきたいと思います。

と厳しい声を多少上げつつも、DQ1&2も発売日に(定価で) 買ってしまうんだろうなぁ...というあたりが心苦しいところです。

やれやれですね。


以上

posted by - at 10:18| ゲーム | 更新情報をチェックする

2025年05月01日

1bitの違い

今回は前回の解答を含む内容となっています。

前回記事 を読んでいない方は、まずそちらに目を通しておきましょう。

よければ以下へどうぞ。









[問題]
「PMX概要」 動画内には間違った記述があります。それは何でしょうか?

[解答]
頂点-最大頂点数 : 65536(16bit) → 40億(32bit)

はい、ここが間違いの箇所です。

「32bit数の最大値は 10進数で 4294967295 になるので 40億ではなく約43億の間違い!」

...というように考えた方もいらっしゃるかもしれませんが、残念ながらそのような細かな違いではありません。

では実際の PMX仕様の当該箇所を見てみましょう。

----
■データフォーマット
(中略)
※データ数の範囲とバイトサイズの関係 - 頂点 8/16bitのみ符号なしとして扱います。

・頂点 - 符号なし
[バイトサイズ] : 頂点数範囲
1 : 0 〜 255
2 : 256 〜 65535
4 : 65536 〜 2147483647 ※符号ありになるので注意

・ボーン/テクスチャ/材質/モーフ/剛体 - 符号あり
[バイトサイズ] : データ数範囲
1 : 0 〜 127
2 : 128 〜 32767
4 : 32768 〜 2147483647
----


数字がずらずらと並んでいますが、頂点は上段の方。左端のバイトサイズ 4 が 32bitに該当します。

書いてある数字の最大値は 2147483647 となっていますね。もし最大頂点数が 40億の場合はこの数字が 4294967295 となっているはずです。

こうなる理由としては注釈にある通り、バイトサイズ4の場合は頂点も "符号ありの数値" として扱うためです。

つまり 31bit数の最大値となるわけで "(約)20億" という数字が PMXにおける最大頂点数ということになります。


実際のところは 20億だろうが 40億だろうが、そんな数の頂点数を取り扱うことは現状では不可能なので、こんな仕様上の制限を知っていても大して役には立ちませんけどね。
※なので特に訂正などはせず、ずっと放置のまま

1bitという [0/1] たった 1つ分の違いが、現実の値としては "20億以上もの差" になってしまう...みたいなあたりに驚いて頂ければ?幸いです。


以上、PMX(頂点数) における "1bitの違い" でした。以降は関連の解説を少々続けておきます。興味のある方はどうぞ。




■ 符号とは
+(プラス)/−(マイナス) が符号です。計算機内で取り扱う数字はデータ(箱) の大きさが決まっており、中に入る数字には制限範囲が付きます。

符号で 1bit使うことから符号の有る無しにより (正の)最大数は倍違う結果となります。

まあちょっと詳しい方なんかは 「整数の負数は 2の補数表現になっているから符号で 1bit使っているわけではない!」 みたいな指摘をしたくなるのかもしれませんが、情報量から見た場合はどのような表現になっていても "1bit分の情報" になっているだけなので、結局同じことになります。

ちなみに実数(浮動小数点数) の方は実際のデータ上でも符号で 1bit使っていたりします。


■ 可変バイト
PMXでは頂点の最大数を 16bitから 32bitの範囲へ拡張したわけですが、そのまま全数値データを 32bitのデータ幅で持たせてしまうと、PMDからの変換だけでファイルサイズが随分膨らんでしまう懸念がありました。

それ故、必要数に応じてデータサイズを最適に変更できるような仕組み=可変バイト方式を導入しています。

具体的な数値範囲は仕様にある通り。横着をしようとすれば全部 4byte(32bit) で保存することも可能なので「同じデータ内容なのにファイルサイズが山ほど違う」 みたいな状況になる環境もあるのかもしれませんね。

なお標準モデル(初音ミクVer2.pmd) を PMX変換した場合は、695 KB (712,126 バイト) → 709 KB (726,199 バイト) と、ほぼ変化ない程度の範囲に納まっていることがわかります。

といっても昨今は GPUで巨大なテクスチャ(画像)データを取り扱えるようになった影響で、モデルデータ側をいくら節約したところでほとんど意味はありません。残念。


■ 32bitだけ符号付き
理由としては二つほど。一つは 20億もあれば十分すぎる、といった点。

PMXはリアルタイムレンダリング、すなわち GPUでの直接運用を前提としているため、そもそもグラフィックメモリ(VRAM) に入る分しか動かせません。

頂点一つの最小データを
位置: float(4byte) x3(x/y/z)
法線: float(4byte) x3(x/y/z)
画像UV: float(4byte) x2(u/v)
としても 4x(3+3+2) で計 32byte

符号あり32bit範囲ギリギリで 32x2G = 64G byteとなるわけで 「これを易々と越えるような状況には当分ならないだろう」 という予測が働きます。

二つ目はプログラミング(言語) の都合上、"符号ありと符号なしの数値は別物として取り扱われる" という基本的な動作仕様のため。

両者の数値に対して計算をおこなう場合、擦り合わせ用の記述(キャスト) が必要になります。さらに記述面だけでなく僅かな処理(オーバーヘッド) も発生します。

また一般的なデータ管理の要素数は基本的に符号あり32bit数を基準にして用意されているため、最大数が符号なしの場合、管理上不足してしまう問題が発生します。

結局のところ符号なし数の取り扱いは "無駄と面倒が増えるだけでいいことがない" わけですね。
※一応擁護しておくと主に bit演算やメモリアドレス、ハンドルなどを直接取り扱う場合に必要になります

ここで 「じゃあなんで 8bit/16bitは符号なし数値にしているんだ?」 という疑問を持たれるのは当然です。

こちらの理由は簡単で以下の二点。

・内部的な動作では 符号あり32bit数で すべての取り扱いをおこなっている (=符号による問題は出ない)
・頂点は参照されるデータ量が多いので変更点を大きめの位置(サイズ) にとりたい

ローポリ系にそれなりに無駄なく対応しつつ、大きなデータも遜色なく扱える...あたりを熟慮した結果です。

また元々 PMDでは 16bit範囲で頂点数 6万程度が最大だったこともあり、その辺の仕様を PMXでもそのまま引き継いだ経緯もあります。


■ 「データ数範囲の数値、1つズレてません?」
鋭い ご指摘ですね。

本来データの要素数から考えるとバイトサイズとの比較は 2^n (2のn乗) の数値になるはずです。

実は本文中に抜粋した "■データフォーマット" の内容は "○Index参照のバイトサイズ" の項目に記載されています。

頂点数やデータ数と書いてはありますが、実際の取り扱いとしては Index の値を対象としているものです。

Indexは端的に言えば数字による番号。ただし開始番号は 1 ではなく 0 からにすることが通常です。
※意味合い的には 「開始位置 + Index」 で場所を指定するため 0開始の方が都合がよい

ということで 2^n ではなく 2^n-1 という一つズレた数値が範囲の限界になっているわけです。

まあこの辺の差異はややこしいので、問題が出ない側 (=数が少ない方) を基準にして想定しておくと、安全策としてもよい選択になると思います。

データ数の表記が細かな数値ではなく、40億とか 20億とか比較的ざっくりした扱いになっているのも、そういう考え方がベースになっているからですね。

何事もギチギチまで詰めようとせず、ある程度の余裕を持った状態で対応できるようにしておくのが、後の 「こんなこともあろうかと!」 といった事例に繋がるのかも?しれません。



以上、ここまで目を通して頂き ありがとうございました (解説のまとめはありません)


posted by - at 00:43| PMX | 更新情報をチェックする